【各社の質問を検証】世論調査の結果には斜めにかまえる必要がある理由

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世論調査とはかんたんに言うけれど、実際の質問を一言一句注意深く見たことはありますか?

「世論調査」という言葉だけだと、中立的でフェアな質問をするんだろうなあという印象をうけます。

その考えはいますぐ捨てたほうがいいですよ。

2017年6月20日に発表された世論調査でどんな質問がなされたのか検証。

 

「共謀罪」あらため「テロ等準備罪」に関しての質問

朝日新聞と毎日新聞とFNN(産経新聞・FNN合同)との質問をいくつかピックアップしてみましょう。

ソースはこの毎日新聞のページ朝日新聞のページFNNのページです。

「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が成立しました。組織的な犯罪集団が犯罪を計画、準備した段階で処罰する内容ですが、一般の人も捜査対象になるとの指摘があります。この法律に賛成ですか、反対ですか。(毎日新聞)

「一般の人も捜査対象となるとの指摘があります」ともし書くなら、「テロ等準備罪」の意義も書かないとフェアではないですよね。

一方的な質問ですよ。「一般の人も対象になるかも? なら反対しとこう」ってなる人多いはず。

しかも「一般の人も対象になる」根拠がよくわかりません。もちろん、質問なのでそんな長い文章にするわけにはいけませんが。

ここに毎日新聞の誘導というか、思想が入ってますよね。

犯罪を実行しなくても、計画の段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が成立しました。(朝日新聞)

先述の毎日新聞の質問で書いてある通り、テロ等準備罪は、犯罪集団が犯罪を計画するだけでなく”準備”した段階で処罰するものです。

この朝日の質問では”計画の段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ”ということのみで、準備に関する内容に一切触れられていません。

これでは回答者が共謀罪とテロ等準備罪の違いを理解した上で回答することができません。ましてや電話調査ですので、ぱっと聞いた感じだとテロ等準備罪は「計画の段階で処罰できるもの」という印象を感じるでしょう。

政府の説明は十分か論争

あなたは、改正組織的犯罪処罰法の内容について、国会での政府の説明は十分だったと思いますか。十分ではなかったと思いますか。(朝日新聞)

この手の質問でいつも思うのが、果たして多くの国民が「十分な説明」と思えるほどの状態などありえるのかということ。

我々は基本的にメディアという中間業者を通して政府の説明を聞くことが多いですよね。

そもそもメディアが政府の説明する映像や言葉を国民に伝えなかったらその時点でアウトですよね。

しかもこういった難しい法案を理解するには、かなり時間がかかるわけで。それこそ森友学園や加計学園のメディア露出を10分の1におさえてでも、この法案を取り上げないといけない。

「中間業者もっとしっかりしろよ!」と叫びたくなります。

 

また、そもそも国民の側が法案を理解する意思があるのかも甚だ疑問。

例えば学校でも同じことがいえます。先生の話を聞かずにぺちゃくちゃ友達と喋ってて全然授業の内容は理解できないのに、「先生は教えるのが下手だから」などと言う人いるじゃないですか。

もちろん先生の教え方が悪いからとか、つまらないから聞く気がしないというのはわからなくはないです。でも、そもそもわかろうという意思がない人にどれだけ説明しても無駄なんですよ。

だから、こういう「理解しようとしない人」に対して「政府の説明は十分ですか?」なんて問いは無駄無駄無駄。

それにぼくたちは毎日自分のことで忙しい。

 

更にいうと、朝日が賛成するような法案だったら多分こういう質問しないんでしょうな・・・

どうやっても「説明不十分」になるんですから。

女性宮家について

皇族の女性が結婚後も皇室に残る「女性宮家」を認め、皇族の数が減らないようにすべきだという意見があります。女性宮家を認めた方がよいと思いますか。(毎日新聞)

女性皇族が結婚後も皇族でいる「女性宮家」の創設については、皇族の数を減らさないために必要だという意見があります。一方で、逆に皇族の減少をもたらす可能性や、過去1人もいない父方が皇族でない「女系天皇」につながる可能性を指摘する意見があります。あなたは、女性宮家の創設に賛成ですか、反対ですか。(FNN)

この2つを並べてみると、毎日新聞の質問にはFNNで懸念されている「女系天皇」について触れられていません。

この毎日新聞の質問では「ん? 皇族が減るのは大変だ。賛成!」という思考になると思われます。

この「女性宮家」については、FNNで述べられている通り「過去1人もいない女系天皇」の誕生につながってしまいます。

極端なことを言えば、女性の皇族な方が中国の方と結婚して・・・なんてことも。

少なくとも両論併記のFNNのほうがフェアですよね。

加計学園

文部科学省の事務次官だった前川喜平さんは、加計学園の獣医学部新設をめぐって、行政がゆがめられた、と証言しています。あなたは、前川さんら関係者を国会で証人喚問する必要があると思いますか。その必要はないと思いますか。(朝日新聞)

あなたは、この獣医学部新設計画に関し、「行政がゆがめられた」などと証言した前川前文部科学事務次官や、「決定過程がゆがめられた事実はない」と否定した国家戦略特区諮問会議の民間議員ら関係者を、証人喚問などの形で国会に招致する必要があると思いますか、思いませんか。(FNN)

朝日新聞は文科省・利権側の前川氏にしか触れておらず、FNNは国家戦略特区諮問会議の民間議員にも触れています。どちらがフェアなのかは一目瞭然。

関連記事:【加計】天下りで辞任した前川氏が、利権の絡み合う獣医学部新設問題に登場してくるのが皮肉な理由

まとめ

このように世論調査なんて各社の意図が大きく働いた質問内容になっています。

どのような議題を選ぶか、どのように質問するか、どんな質問をするかといった選択をしないといけないので、そもそも中立的な調査など不可能かもしれません。

結局、なんらかのポジションを取らざるを得ないんですよ。

調査元によって数字が多く変わるのはこのせい。

だから、言いたいのは世論調査には斜めに構えろってこと!



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