村上ファンド・村上世彰が意外と良い人説(生涯投資家の感想)

公開日:  最終更新日:2019/07/10

村上世彰は国士
みなさんは「村上ファンド」って覚えてますか?

村上ファンドを率いる村上世彰さんが「お金をもうけることは悪いことですか?」と言い放ったシーンが何度もテレビで放映されていたのを覚えています。

あと「物言う株主」、「村上タイガース」といったワードもよく言われていたような・・・

 

その頃ぼくはまだ中学生か高校生くらいで、テレビの言うことは信じてやまない子供だったんですよ。

スマホも持ってなくて、家に一台古いWindowsがあったかなって感じでしたし。インターネットで情報をとるというようなこともやってませんでした。

テレビでは連日村上世彰さんを叩いていた印象。そんなに深く考えていなかったので、村上さんにはただなんとなく悪いイメージを持っていました。

 

今思えばほんとに情弱だなと。ワイドショーの偏向報道にだまされる主婦や老人と変わらなかったんですよね。

「お金をもうけることは悪いことですか?」という言葉が何度も何度も放送されて、この人は金の亡者なんだと思わされてしまってました。

ちょうど、自民党の豊田議員が元秘書に対して暴言をはいたという音声がくどいぐらい放送されてるのと同じなんですよ。こういう強烈な言葉、強烈なキャラクターというのは、結局のところ視聴率がとれるから何度でも放送するんですよ。

テレビって子供の頃は、「公正な正義の味方」なんて思ってましたけど、結局はビジネスでしかないんですよ。またいろんな利害関係があって偏向してる番組も多いですよね。

とまあまたメディア批判になってしまいましたが、いずれにせよぼくは村上世彰という男は「ヤバいやつ」くらいに思ってました。

 

そんな負のイメージがまったく変わってしまったのが、この「生涯投資家」という自伝といっても良い本

大学卒業後は通産省に入省した。官僚というのは公僕(Civil Servant)であり、国民の生活をよりよくするために尽くすことが仕事である。私は国のため、国民のために、通産省にいた十六年間がむしゃらに働いたし、日本のあるべき姿について常に考えていた。その中で、日本経済の永続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが大切であることを実感し、これを自らがプレーヤーとなって変えていこうと決意して、四十歳を目前にファンドを立ち上げることにした。

「お金のため」ではなく、コーポレート・ガバナンスを定着させるためのファンド設立

もうこの時点で心をわしづかみにされました。

別にぼくはお金儲けが悪いことだなんて一切思ってません。むしろ「誰かを幸せにした」とか「何らか価値を生み出した」対価としてのお金ですから、むしろ礼賛すべきことだと思ってます。

それにチートして稼ぎ続けられるような世の中ではありませんし。SNSが発達して、信用というのは一層大切になってますよね。だからズルしたらすぐバレる時代ではないかと。

 

冒頭で述べた通り、メディアに流されたたぼくは「村上世彰は金の亡者」というイメージが強かったので、驚いたのです。

もともとは官僚で、コーポレート・ガバナンスというものに問題意識を持って、これを解決するためのファンド設立だったんだなと。

村上さんって国士ですやん。

私は大学で法律を学んで役所に勤めた人間だから、ルールを遵守する世の中であってほしいと考えている。資本主義のルールを守らなければ国の経済はよくならないし、経営のルールであるコーポレート・ガバナンスを守らなければ企業は存続する意味がない。しかし日本の社会では、違う実態がうごめいていた。そこを私は正し、日本の社会を変えたかった

おそらく「コーポレート・ガバナンス」ってカタカナはどういう意味やねん? という読者も多いでしょう。ご心配なく。

ぼくもちゃんと説明できるかというとそうではないので、ちゃんと調べて書きますね。

コーポレートは企業という意味。

ガバナンスは統治。よくガバナンスがきいてないという言葉を聞きませんか? これは統治・統制がとれてなくてカオスになっちゃってるよという感じ。

ようは、コーポレート・ガバナンスというは直訳すると、企業統治のことです。企業をどのようにしてコントロールするのかというような感じなんですよ。

コーポレート・ガバナンスは別に株主という利害関係者に対する言葉ではありません。

 

ただ、村上さんが最も問題意識を持っているのは株主と経営者や役員との関係性についてなのかなと。産経ニュースでも村上さんのこういう言葉が。

コーポレートガバナンスとは、経営者が株主に説明責任を果たすこと、株主価値の最大化を目指すよう株主が導いていくこと

 

そもそもなぜ企業は株式を発行するかというと、資金を集めるためですよね。

株式を発行することで資金を集め、ビジネスの発展のために注力する。

だからリスクをとって投資してくれる株主には説明責任を負うわけで。

そして株主価値も最大化しないといけません。株主価値を最大化することによって株主は得た利益でさらに他のビジネスにも投資するという、良い循環が起きるわけです。社会のためになるんですよ。

 

こういうことって、よく考えてみればそうだよなあと思うんですけど。あまり学校でも教えてくれないですよね。

そもそも株式はなんのために発行するの?

なんで上場するの?

なんで株主価値を高める必要があるの?

という根源的なことを考えさせられますよ、この本は。

 

意外にも大企業の役員クラスでもこういうことがわかってないようで。

村上さんと、ただ何事もなく勤め上げたいと保身しまくるサラリーマン役員や経営者といった既得権益層との対決もこの本の魅力の一つかも。

なんか加戸元愛媛県知事 対 前川氏&大マスコミという構図と似てるなーと。

「お金もうけることは悪いことですか」はインサイダーで逮捕される直前での会見の言葉なんですけど、事件の真実も詳述されています。

 

 

投資観けっこうかわりますよ。ぼくがやってるNISAとか完全に自分の資産を増やすことしか考えてませんでしたが(自分こそ金の亡者だ)、本来投資って世の中のための行為なんですよねえ。

ただ、ホリエモンはこの人のことボロカスに言ってるんで、この本の内容を鵜呑みにするのは違うかもねーといったところです。



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