Ed Sheeran & Justin Bieber のI Don’t Careは「手抜き」MVが功を奏した?
Spotifyのチャートで1位になっていたので、Ed Sheeran(以下エド・シーラン)とJustin Bieber(以下ジャスティン・ビーバー)の曲I Don’t Care(アイドントケアー)のMVを見てみたら、ちょっと腰を抜かした。
I Don’t Careは和訳すると「気にしない」みたいな感じだが、気になるシーンばかりだった。
「いや、ちょっと合成の手を抜きすぎ!」と思わず叫びたくなる内容。まだ北朝鮮のほうがうまいことPhotoshopやってるよと・・・
MVのディレクター「MVの常識を取り除いたのだ」
なんかファンが適当に作ったのかと思ったら、Emil Navaという「Thinking Out Loud」のMV制作を手がけた人だった。
とても同じ人が作ったとは思えない。
果たして今回、どのような意図があったのか。
ビデオを作るときは普通笑うことはない、なぜならストーリーをちゃんとしないといけないとか他のストレスフルなことで苦しめられているからね。でも今回は、笑いをこらえることができなかったよ。
(中略)
MVの常識を本当に取り除きたかったんだ。とてつもなく「悪く」制作するけど、でもそれでも素晴らしくてマジカルなかんじになれば最高だろうと。
きれいなもの、かっこいいもの、良いストーリー、こういったものをすべて無視している。まさにI Don’t Careといったところか。Instagramなどでとにかく美しいものが求められているような時代に一石を投じるものなのかもしれない。
そして歌詞の中にも「周りの目が気になる」といった社会不安を思わせるものがある。とにかく楽しければいいじゃないかとか、肩の力を抜こうといったものがMVに表現されていると思うのである。
うつのジャスティン・ビーバーにセラピーをすすめた新妻ヘイリー・ボールドウィン
さてそのように「社会不安」というのもこの曲のひとつ大きなテーマだと思うが、このELLEの記事によればヘイリー・ボールドウィンがジャスティン・ビーバーにセラピーに通うよう強くプッシュしたとのこと。うつに苦しめられていたジャスティン・ビーバーにとって、最高のパートナーだ。
この背景も考えると、この曲はもちろん楽しい曲だが、深みもましてくる。
エド・シーランもジャスティン・ビーバーも比較的最近結婚した男性である。だからこの曲は彼らの妻の「大きさ」へのトリビュートのようなものだ。ジャスティン・ビーバーはヘイリー・ボールドウィンと9月に結婚し、エド・シーランは長い間付き合っていたCherry Seabornと12月に結婚したとの噂である。どちらも、彼らのメンタルヘルスにとって、大切な人がどれだけ助けとなっているかを話している
スターでキラキラしているように見えても意外と心に病を抱えている人は多い。結局彼らを助けてくれるのは何百万のファンではなく、たった一人のそばにいる人というときもあるのだろう。
よくみたら細かいMV
ここでもう一度リラックスしてMVを見てみた。
お気に入りのシーンを見つけるように視聴するのはいい方法だろう。なんかいろいろ細かい。後ろに飾ってある絵の中でジャスティン・ビーバーが動いているなど、アハ体験のような感じで見てほしい。
ちなみに上述のディレクターであるEmil Navaによれば、合成映像の背景は実はちゃんと自分たちで撮影したものとのこと。意外と工数かかってるんですな。しかも製作時エド・シーランは日本にいる一方ジャスティン・ビーバーはロス・アンジェルスにいて、両方別に撮影しにいったんだとか。
MVも曲も意外と奥が深い。